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(4)尺八の吹き方の解説本「はじめての尺八」



 尺八の吹き方の解説本「はじめての尺八」(音楽之友社4,104円)は尺八奏者善養寺恵介氏の著作である。
 この本は、このホームページを作りはじめて、かなりたってから見つけたがすごい内容である。誰も教えてくれなかった(または系統だって教えてくれなかった)尺八の吹き方を手取り足取りのごとく記述している。私のホームページなど不要かもしれないと思えるほど懇切丁寧にそれもイラストや写真入りで解説されている。2000年の発行であるがまだまだ出回っているのでぜひぜひお買い求めいただきたい。

 この本に書かれた主なテクニックは次のようである。
1 唇の締め方: 頬の内側をかむようにすると唇が横に広がる。
  まさにその通りである。単に唇を横に引っ張ろうとすると変な力が入って唇が固くなってしまう。頬の内側をかむようにすると唇の中央が柔らかいままで残るような気がする。
2 歌口の当て方:唇の合せ目と歌口のラインを合せ、自然な角度の構えに戻す
   私は、今までまず尺八を唇の位置まで水平に持ち上げ、それから、唇の合わせ目と歌口のラインを合わせ、尺八を下におろすと説明してきましたが、この本の説明のほうが楽にできます。
3 ツ・ハの指の抑え方:指先の爪の角(管尻側)と指孔の接点を意識する。
   私は音がずれている時、穴の大きさばかり気にして指を押したり引いたりしていましたが、それでは大雑把なコントロールしかできないようです。
4 (ツ・ハの半音):指先の管尻側をしっかり押さえ指孔の下を1ミリ開ける
   この音はどうしても高くなりがちで、指でぐいぐい押すばかりで安定せずに困っていましたが、的確な押さえ方があったのです。
5 笛の選び方:笛を顎に当てた時、唇と歌口が5ミリ以上離れないこと
  確かにいい音が鳴っている人の口元を横から見ると、唇と歌口の距離はごく短いことに気が付きました。音がかすれっぱなしの人の口元はかなり離れちゃっています。笛が悪いのか構え方が悪いのかチェックするときのポイントとなります。
6 音が小さいとき:うつむき過ぎまたは下唇が笛の中に入り過ぎ
  今まで音がにっちもさっちも小さくなって何ともならなくなることがよくありましたが、下唇が中に入り過ぎていたり、何かの都合で下唇の開きが悪いせいで大きな音が出なくなっていることに気が付きました。
7 美しい音の出る唇:自然に唇を横に引き、唇の粘膜が細くわずかに出るようにする
  などなど盛りだくさんの的確なテクニックが満載です。