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尺八を習い始めて第一関門が、音を鳴らすことです。ふうふう吹いても全くならず、頭もボウーっとなってきて途方に暮れてしまいます。
(1)歌口を唇の先でついばむ
音が鳴らないということは息の入れ方がまずいということです。息をどこへ入れるかというと、歌口の中央です。歌口の中央に向かって息を入れるのですが
(図A)、意外とずれるのです。
目で見えればいいのですが、口元は目で見にくいのです。
そこで、目で見ず、唇の先で感じることで息の方向を合わせるわけです。普通に尺八を構えたら、管尻を少し持ち上げて、唇の合せ目と歌口のラインを合せ、唇の先で歌口の中央をちょんちょんとついばみます。ここらあたりが中央かなと思ったら、自然な角度の構えに戻し、そっとフーッと吹きます。唇と歌口の距離は5ミリくらいにします。
ちょんちょんと歌口をついばんではフーッ、フーッを何度も繰り返します。
(2)全開の音で
初心者の場合は、指で穴をフタしたりせず、全部開けた状態で吹くのが音が出やすいと思います。
(3)尺八の角度
尺八を構える角度は下のイラストくらい、約30度くらいの角度でいいでしょう。
(4)唇の形
少し横に引きましょう。口角を上げる動作の途中かのように、横に引きましょう。頬の内側を少しかむようにするといい感じになります。
初心者の場合、唇がゆるすぎる場合があります。その時は、酸っぱいものを食べた時のように口元をギュッと絞ってみましょう。唇を横に引きながら、酢ッパーと絞るとゆるみ過ぎた唇がよい形になります。唇を絞り過ぎても、息の出口がなくなってしまいよくありませんが。
(5)あご当たりの初期化
第3章尺八各論の(1)正しく構えるで説明しましたが、下図のようなあご当たりの初期化も音が鳴らない時に試すのもいいです。
練習中にあご当たりがずれて、音が鳴りにくくなった、音がまったくならなくなったということがよくあります。そんな場合には、次の図のように、笛を水平に持ち上げて、唇の中央の線と歌口の線を軽く接触させて合わせ、笛を下に下げるとあご当たりの初期化ができます。このあたりに音がちゃんと鳴る場所があるはずです
歌口ついばみ作戦で、息の出口をしっかり感じて、音出し頑張りましょう。
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