尺八ワンポイント 本文へジャンプ


(1)ピの吹き方

ピの吹き方について、達人は次のようにおっしゃいます。
 『裏穴をほんの少しだけあけて吹く。教本通り裏穴を全開すると、よほどメらないと正しい音とならない。ごく微弱な音となってしまう。裏穴を完全に閉じる(ロの大甲)というのもあるが、通常使いの音とは違う。古典の曲ではピを絞ったほうがよい曲もあるが、通常はちゃんとまともな音量でピの音を出すことが大切。
 息を絞らないこと。唄を歌うのと同じ。高い音ほど声量を出さないと上手に聞こえない。喉を絞ってはいい声にならない。
 ピの出て来る場面はたいてい、曲が盛り上がるところ。ここで音を絞ってしまっては曲が台無しになってしまう。裏穴をほんの少しだけあけて十分強い息で吹き、ちゃんとした音を出す。』
 さて、ピの音の出し方は、ハーピーハーピーと練習します。ピは裏孔をほんの少しだけ開けてほかの孔はすべてふさぎ、甲ハの唇の形で息の通り道をふさがないようにそのままでOKです。
 が、たいてい笛を少し唇に押し付けることが必要です。唇に笛を押し付けると音が下がります。押し付けながらメったり、工夫してもOKです。
 第5孔のふさぎが不十分だと音が高くなります。5孔全開では全くダメです。通常は上から押さえますが、不十分な場合、横から押さえた方が親指が穴にググっと深く入りやすく穴は小さくなるように思います。
 
 
うまくいかない場合は、全孔を閉じて一旦大甲のロを出し、それから第5穴を少し開けます。穴のあけ方で音の高さや音の大きさが大きく変わります。

 甲ハピともに音の高さはチューナーで確認しましょう。息の量は多くなるよう十分練習しましょう。
 歌口と上唇の間ぎりぎりを、鋭く吹き抜ける感じです。