尺八ワンポイント 本文へジャンプ


(9)めきめき上達する練習方法は?

 練習方法に王道はありません。が、上達するための工夫はいろいろあります。
(1)手取り足取りの指導者
 まずは、手取り足取り丁寧に教えてくれるような、よい指導者を見つけることです。尺八はむつかしい楽器ですので、独学は困難です。まずは教えてもらうしかありません。できるだけ手取り足取り教えていただきましょう。尺八は吹くと口がふさがってしまうので尺八を吹きながら教えるのはかなりむつかしいことです。同様に教わりながら吹くのも大変です。が、手取り足取りが一番です。
(2)譜面台には楽譜だけ?
 譜面台に並べるのが楽譜だけはもったいない話です。わたくしの譜面台にはいろいろくっつけてあります。
 @鏡・・・15cm×25cmくらいの大きさの鏡を譜面台の上部に装着し、譜面の上部に顔が見えるようにしています。特に唇と歌口の接触具合を見ながら吹いています。私の場合は自然に頭が左側に傾いているので、気が付くたびにまっすぐに修正しています。鏡を見ないとわかりません。
 自分の顔をしっかり見ましょう。

口元はもちろん、上唇の状況、下唇の状況、唇の突き出し具合、横への引っ張り具合、笛の押し付け具合、顔の微笑み具合、ほっぺのふくらみ具合、上唇のふくらみ具合、などなど、すべて音色にかかわるものです。
 また笛の回転具合や、あちこちへの偏りがよく分かります。うつむいて吹くなど悪い姿勢もチェック対象です。
 Aチューナー・・・442ヘルツにセットし、いつも見ています。が、ぴったり合わせるのはとても大変です。プロのCDでもチューナーで見ていると力むところでは、ずれていることが見受けられます。しかしチェックしないと何年練習しても音程がずれたままです。
 Bメモの貼り付け・・・常時チェックすべき点を付箋にメモしてチューナーに貼り付けています。すぐに忘れてしまうのです。私の場合の現時点のメモ1:首の傾き注意 メモ2:そっと吹いてから下方に息を注ぐ メモ3:上唇中央からから犬歯までのふくらみに注意
(3)ICレコーダーの活用
 ICレコーダーを活用しましょう。世の中こんな便利なものはありません。指導者の笛の音や、教わった時のそのままの録音
、CD音源、自分の吹いた曲、なんでも録音できます。1曲ずつに切り離し再生して何回も聞きます。アンプをつければ大きい音にもなるので、聞きながら吹くことができます。また繰り返し再生もできますので同じフレーズを5回10回と繰り返し練習することができます。演奏会で自分の演奏した曲を繰り返し聞くのも楽しいことだし、自分の現在の実力を知ることができます。また頑張ろうという気になります。
(4)発表会に出る
 初心者からベテランまで、演奏会に出るチャンスはあるはずです。初心者は先輩連と一緒に出て後について吹くような形になると思いますが、それでも非常にいい経験になります。慣れてくると独奏部分を任されたり、更には一曲を琴集団に対し尺八一人でという場面も出て来ることでしょう。自分にはそんなのは無理だと思わず、一生懸命練習を重ねて、挑戦しましょう。その結果が今現在の実力です。実力を認めまた精進を重ねましょう。

(5)発表会を聞く
 発表会を聞きに行くことも楽しいことです。いろいろな曲をいろいろなレベルの方々が演奏しています。非常に参考になります。客席前方の両サイドどちらかに陣取れば、演奏者がどのようにして吹いているのかよく分かります。笛の角度、笛の持ち方、指使い、ほっぺや唇のふくらみ具合、指のすり上げすり下げ、ユリ、メリカリ、息遣い、尺八同士の息の合わせ方、琴との息の合わせ方、いろいろなことが見えてきます。
 また発表会場の受付などに、あれこれの発表会のチラシも置いてあることも多く、良さそうなのにまた出かけることもできます。

(6)尺八教本
 初心者向けの教本が都山流などから販売されていますので参考になります。
中級上級向けとなると、なかなかいいのが見つかりません。ネットなどでこれはと思えるものを探されるといいとも思いますが・・・。ホームページなどで吹き方の解説をしているものもありますので(私のもそうですが)参考になります。
 尺八だけでなく、フルートやバイオリン、サックスなどの教本も参考になります。
フルートについては総論の項で紹介しましたが ― フルート演奏技法 エドウイン・プトニック 全音楽譜出版より ―全103p 2,200円、が非常に参考になります。
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