尺八ワンポイント 本文へジャンプ
(10)息継ぎの仕方

 息継ぎの素早さは、演奏が音楽になるかどうかの境目となります。三曲合奏で、テンポの速い曲でゆっくり息を吸っていると箏に置き去りにされてしまいますゆったりとした曲でも、ぎりぎりまで音を伸ばし、素早く吸って次の音に入らないと場が白けてしまいます。
(1)パクパク吹きと息継ぎ
 第3章(6C)でパクパク吹きの説明をしました。パクパク吹きは、達人B氏の教えです。息を吸うのもパクパク吹きとそっくりです。息継ぎの場所に来たら、笛に下あご(下唇)を当てたまま、口(上アゴ)をパッと大きく開け、スポッと吸う。鼻で吸うのは無理。パクパク吹きのように上アゴをバッと上げてバーンと吸いましょう。そして何もなかったように次の音をパクっと鳴らしていきます。一瞬の間にドカッと息が吸えるはずです。


 
(2)頭を放り上げる
  更に丁寧に説明すると、パクパクの時に動くのは上あごから上の頭です。下あごには尺八がくっついているので下あごは動かしにくいのです。勢いをつけて素早く吸おうと思っても、頭はとっても重たいので簡単には動いてくれません、そこでヨイショッと笛と下あごで頭を勢いをつけて持ち上げて上に放り投げるようにしてパッと息を吸うとスムーズに息が吸えます。砲丸投げのようなものでしょうか。
 うつむいて吹いていると、勢いよくパクっとは息は吸えません。口が開きません。姿勢を正してのけぞるくらいに正しい姿勢にすると、頭はスムーズに動かせます。ずーっとのけぞっていては格好が悪いので、先ほどのように尺八と下あごで頭を放り上げることになるわけです。YouTubeで現代尺八を見ているとみんな頭を放り投げながら息を吸っているのが分かるはずです。Bamboo Flute Orchestra5人組女性ユニットも頭を放り投げながら息を吸っています。